交野にも『彫友』の彫物がある。
このだんじり、形式は讃良型がベースで、
屋根先端が折りたたみ式、泥幕に彫物がなく幕を張る交野式。
赤ケヤキ(上質)の木材を使用し、彫物も少々凝っている。
(森)
何といっても車板の龍は、他に例を見ないポーズをしている。
大概の龍の彫は、上空を見上げているものがほとんどだが、
この龍は、下方向きの珍しい彫。
この龍、いつもの彫友の龍と少々違うのではと、思われる方がいると思うが、
中野本町のものを左右反転し角度を変えてみれば、
(中野本町)
ほら、ほぼ同様の顔つきとなる。
他にも、ここのだんじりの龍にも似てます。
(砂)
もうひとつ、枡合の図柄には‘雲に麒麟’の彫物が多くあるが、
このだんじりの片方には、‘雲に獏’の彫物が彫られている。
(獏鼻ではなく、獏を彫ったものは、北河内に数台しかない)
(森)
おまけに、花台には、
唐獅子ならぬ、‘虎’の彫物。
製作年は不明だが、明治十三年の提灯新調の入れ箱があり、
ほぼその年の作だと思われる。
後面の彫物は、一般的な仕様だが・・・、
車板には、夫婦唐獅子+子落としの獅子が彫られることが多いが、
なぬ、雌獅子がいなく、仔落しの獅子が横にいる。
通常は、右方に雌獅子がいて中央下に仔獅子がぶら下がっている絵模様。
元は、雌獅子が付いていて、それが逃亡したものか!?。
私としては、紛失したとは考えられなく、奇妙な組み合わせである。
それに、雄獅子が何かを加えている。
牡丹の花のようだ。
これと同じような獅子がお寺さんにおった。
(金台寺)
ここのお寺さん、大阪市内でも一番古い(本堂)といわれている。
観る限り、非常によく似ている。
初め、この彫物はだんじりのものかと思っていたが、
底板がごく薄いので、彫刻絵馬のようなものかも?
つづく・・・、