桜井市三谷に‘三谷のネンドさん’と呼ばれる寝地蔵がある。
奈良市藺生(イウ)町から小夫を通り初瀬へ抜ける道、
藺生と小夫の境界線から約600メートルほど南下したところに
佇んておられる。
途中の道で見た石仏二体
一体は地蔵菩薩、もうひとつは板碑?のようである。
苔むしてもう献花もされていないようだ
さて、境界線あたりから南へ進むと道標が見えてくる。
この左方の道を上がったところですぐに巨石が見える。
この巨石の正面に横倒しの地蔵さんと立像の地蔵さん、
右方上に阿弥陀さんがおられる。
いずれも鎌倉後期の作である。
横倒しのお地蔵さん
ところで奈良市にはもうひとつ‘寝仏’なる石仏がある。
春日山、滝坂街道の大日如来を彫られた‘寝仏’も左方下に頭を向けている。
もともとこの石仏も寝ている姿勢ではなく、
これより上にあった岩盤から崩れ落ちて、このような状態となったものである。
つまり‘寝地蔵’も右上の三角おにぎり状の岩から崩れ落ちたものである。
崩れ落ちずに残った岩には、阿弥陀さんが彫られている。
寝地蔵の年号は、「延慶二年・・・」(1309)と刻まれている。
つまり崩れ落ちてから後に新しい地蔵菩薩を建て、
残った三角状のところに阿弥陀さんを刻まれたような。
なお新しく建てられた地蔵菩薩には、「建武二年・・・」(1335)の年号がある。
都祁相河の一石六地蔵