生駒市の稲葉谷という鬱蒼とした森の岩肌に磨崖仏が刻まれている。
ほぼ80センチメートルほどの役行者さんである。
上部に笠石を備え、修験道の信仰として彫られたものか、
(安永7年 1779作)
たが、
これはかっての話となってしまった。
実は、数十年前からの宅地造成開発、新興住宅の進出によって
この辺りは、目まぐるしく景観が変わっている。
つまり、
この磨崖仏のある丘のみをポッンと残し、後方の丘はすべて切り崩され
住宅化された。
周囲はコンクリートブロックやセメントの吹き付けで固められ、
まさに写真のごとく孤立した状態である。
もう少し森林公園のような景観で残せなかったのかと思うと残念である。
役行者さんの神通力も及ばなく、ただ一人で佇んでおられる。
下から見上げると、
このように見える。
大庵寺跡の馬頭観音