新田西地車の彫物には、他に類を見ない彫刻が多く施されている。
この彫物もそのひとつである。
脇障子には、‘唐桃に猿’が彫られていて、
高欄から小屋根まで伸びる大型の両面立体彫刻である。
<ビフォー>
正面から向って右のものには、もともと計三匹のお猿が彫られていた。
私が知る27年前には、もう一匹のお猿がいなかったが、
その証拠にお猿の手首のみが残っていた。(矢印)
<アフター>
修復には、お猿さんが復元されなく、木枝化された。
<ビフォー>
(彫物内にひもを通しては、いけませんょ!)
<アフター>
修復前の高欄には、‘二十四考’と波頭が彫られていたが、
損傷が激しく、全面新調された。
修復後も同じく二十四考と説話ものが彫られ、
前作に劣らず、精巧に施された。
この彫なら、まったく違和感がなく、お見事!
続いて、もう一か所といようか、六面新調された彫物がある。
つづく・・・、