小松福太郎の獅噛は、さまざまな容貌があり、
そのバラエティに富み、定番のものが非常に判りづらい。
なんとなく中途半端な彫も多く、初期のものは源蔵のデザインから
仕上げたものと思われるものがある。
善根寺
善根寺の大屋根後の獅噛は、まさに源蔵のモチーフを福太郎が
仕上げたように思える。
千林 (以下M氏撮影)
この千林のものと南新田・元町のを比べれば
似るところは大いにあるといえる。
南新田・元町
もう一枚の千林の獅噛
これを見るなり、八代目源助のようにも思えたが、
やはり目頭や鼻の細工が、上記三枚の獅噛と一致するので福太郎であろう。
さて、この獅噛
西宮名塩北ノ町(O氏撮影)
この顔部の彫は、一見‘芹生谷’のものに非常に似るが、
芹生谷とやはり伝わってくるオーラのようなものが異なっている。
耳の形状も福太郎で見られる、蓮の葉のように広く広がる描写は
福太郎ならではのものと思われる。
豊浦 正面
今では見ることのできなくなった正面の獅噛。
ほぼオリジナルと思われる。
なお、豊浦地車の当時(文久年間)の彫物は、
獅噛二枚、木鼻、脇障子、麒麟の欄間(これが福太郎の麒麟)、柄振板、
高欄と後車板のみと考える。
あとの彫物は、後世に追加、あるいは改造し取り替えられたものと推測される。
南新田・元町 大屋根後
この獅噛もオリジナルと思われる。
追伸
7月7日の集中豪雨の報道でキャンセルされました
歴史秘話ヒストリアの番組が放送されます。
9月8日(金)午後8時 NHK総合1 放送予定
歴史秘話ヒストリアの番組内にて
後醍醐天皇の特集で、笠置寺の行場が
予告編で映っていました。