岸和田地車の彫師さんは、相野さんに違いない。
2000年撮影
相野さんとはっきりとわかるのが、この三枚の獅噛。
この獅噛のデッサン (下絵または墨入れ)は、伊兵衛直之さん。
でも伊兵衛さんが彫ったとは見えなく、またその感じがしない。
それでは、
伊兵衛直之さんが彫ったオリジナルと思われるものを挙げてみると、
ほぼ前期から中期の作
二河原辺
有馬温泉の愛宕神社 (もと太鼓台の彫物)
ほぼ後期の作
上三ツ島
西室
やはりオリジナルは、力強さが異なる。
正面車板の龍と鳳凰
オリジナルと思われる作は、
招堤 日之出町
宗泉寺山門
上三ツ島 脇障子
オリジナルの龍は、すっきりしたところが見られる。
獅子鼻も伊兵衛さんのデッサン。
この枡合の唐獅子は、ほぼこの地車を彫ったメインの相野の彫師さん。
この構図は伊兵衛さんのにはなかったと思う。
もう一面の唐獅子
この彫は、もう一人の彫師さんだろう。
私から見れば、この唐獅子は相野さんとも言い難い。
この枡合の麒麟は、伊兵衛さんのデッサンだが、
もう一面の麒麟は、
やはり、もう一人の彫師さんとしか言いようがない。
つまり、
おおかたの彫物は、伊兵衛さんのデッサンを用い、
荒彫、中彫は伊兵衛直之さんが行い、仕上げはメインの彫師さんが刻んだものと考えられる。
それでは、
伊兵衛直之さんのオリジナルはないかと、改めて観てみた。
この地車でたいへん上手に彫られているところ、
そう後面の彫物、
この部にオリジナルの作が入っている。
左方の唐獅子
彫に力強さはあるが、顔がちょっと伊兵衛さんのに見えないが、
右方は、
これぞ伊兵衛さんのオリジナルと思われる。
上三ツ島
もうひとつ、下を眺めている唐獅子の彫
この獅子もオリジナルに違いない!