もともと、ここのだんじりは、
寝屋川の木田のものと伝わっている。
明治３５年前後に船に載せて寝屋川を下って運んだそうである。
さて、獅噛を見ると、
大屋根後と小屋根の彫が全く異なる。
正面と後面の獅噛は、‘彫清’の本家筋の彫。
本来、‘彫清’の獅噛三枚のセットは、ほぼ同絵様で仕上げる。
‘相野’や‘服部’においても、ほぼそろえるが、
‘小松’に関しては、前、中、後の獅噛の絵様を変える傾向がある。
深野北
次に、車板の龍を見ると、
‘彫清’の彫とは言い難い。
深野北
波のイメージからもほぼ以下の彫と推測される。
では、‘花岡’の龍を見てみると、
都呂須
北出
‘花岡’といっても、今のところ上の二点しかない。
唐獅子や麒麟を比べると、
深野北
都呂須
深野北
都呂須
ほぼ、彫の形態は同じである。
懸魚や桁隠、泥幕の彫に関しては、明らかに‘彫清’によるものと思われる。
次に後面車板の彫物
深野北
この彫に関しては、
‘花岡’(花岡良造義信) の比較するものがない。
同じ系列の‘花岡源助’のものと比べると、
東家
同雰囲気的なものが感じられると思う。
もともと、‘花岡’の彫のだんじりを、
転売時かそれよりも前に、‘彫清’の彫物に取替え、また追加されたとも考えられる。
いずれにせよ、
両彫物師の二面性を持った特徴あるだんじりと言えよう。
泥幕の彫は絶品！