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Channel: 彫物名鑑 小松堂
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お社になっただんじり! その2~伊兵衛さん

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ここ有馬温泉の足の湯のところから、250メートル上がったところに
小さなお社がある。
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彫物関係に興味がなかったら、そのまま通り過ぎて行くところだが、
これは、まさに‘だんじり’である。
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記録によると、有馬町小区上之町で曳かれていたものを改造築。
ちょうど、11年前に初めて訪れたときには、お地蔵さんかと思っていたが、
れっきとした愛宕神社の神殿として祀られている。
昭和3年と34年に修繕されており、どちらかのときにお社となったものと思われる。
それにしても、
おっと、どこかで観たような獅噛・・・・。
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あっ、‘相野伊兵衛直之’さんだ。
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まさに、伊兵衛さんオリジナルに間違いなし!。
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懸魚の鳳凰は、相野さん特有の両開きの翼。
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おなじみの獅子鼻と獏鼻。
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側面は、‘雲に麒麟’の枡合。
組物の構造から、ほぼ一枚屋根のだんじりかとも思われる。
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後面にも獅噛が、
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後面の唐獅子は、伊兵衛さん十八番の‘正面顔の獅子’。
二段目の龍の彫も細かく丁寧に彫られている。

伊兵衛さんのオリジナルのものには必ず、「銘」があるのがほとんどだが、
どこやらにあるかと、探してみた・・・。
最初、シミかとも思ったが・・・・、
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岩の中央に何かが書かれている。
消えかかっているので、はっきりと見えないのだが、
‘彫物師・・・’と見える、私だけが見えるのだろうか?
そして、その左横に曲がって、何かが書かれている。

私の手持ちの簡易赤外線カメラでも、はっきりと写らなかった。
橿原考古学研究所にあるようなカメラだとズバリと写るはずと思うが、
私のちゃちなカメラの赤外線は、たかがピーク波長940nmの発光ダイオード。
研究所のものは、波長数μmの非常に長い波長をもった赤外線での投射が可能で、
投射表面から奥深く、隠れた部分を浮き上がらせる。
恐らくランプと特殊なフィルタを使用していると思うが・・・。

話は横道にそれたが、高欄を見ると、
イメージ 12
高欄は前面、はね高欄で、後方には擬宝珠が見える。
もとは、正面中央のみが擬宝珠高欄で、
その廻りが、はね高欄になっていたものか?

以下は、擬宝珠とはね高欄をもつ飛鳥の太鼓台の高欄部。
イメージ 13
それにしも、高欄部がやや細めに作られていることに疑問が残る。

それでは、
ここ有馬に伊兵衛さんがもうひとつあった・・・、
次回のおたのしみ・・・・。


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