北河内山系の露出した岩に種字を刻んだ磨崖仏がある。
磨崖仏と言っても仏姿そのものでなく、梵字で描かれた種字仏なのだが、
その一つが非常に大きく刻まれている。
ここ交野市の交野山、
市の名前は、‘かたのし’なのに‘交野山’は‘こうのさん’と言う。
この交野山の頂上に‘観音岩’と呼ばれる巨大な岩がある。
私部南付近から見た交野山(中央)
ズームすれば、観音岩が見える。
さて、ここへはどこから上がるか?いろいろとコースがあるが、
とりあえず、倉治の機物神社から源氏の滝を通るコースをとった。
機物神社(はたものじんじゃ)
機物神社から15分も歩けば、周りの景色が鬱蒼と変化する。
落差18メートルの源氏の滝、この左側に
源氏の滝
←不動明王のカーンマーンの種字がある。
不動明王 カーンマーン
さて、この滝から宜春院を通ってのハイキングコースの道となる。
この丸太橋も通るが、左から2本目は朽ちて動くので要注意。
坂が少しきついが難なく上がれる。
ふれあいセンターへの道路にでるが、
南のほうへ行き、山頂への道をめざす。
ここから山頂へ約16分ほど行けば、
頂上の観音岩が見えてくる。
まず左手の岩に大日如来の‘ア’の種字がある。
大日如来(胎蔵界) ア
メインの観音岩の種字がなかなかみつからない?
とりあえず観音岩へ上がってみた。
観音岩からの眺め
この絶景、大阪平野が一望できる。
観音岩から南へすぐ降りたところに三宝荒神がある。
ここにも種字があるのだが・・・、
スチール製の祠で全く見えない。
すぐ横から覗くと、
ウーンの種字が見えた。
三宝荒神 ウーン
肝心の観音岩のものはというと・・・
道から見えない北面に当たるところに刻まれていて(矢印)、
非常に大きなもの。
聖観音 サ
なお観音岩には小さな祠が開けてある。
ここから銅板製の経典(寛文十年1670)が出土されたそうだ。
上部にアーチ状の差し込み屋根があったと思われる。
もしこの観音岩の種字が仏姿としたら、全国規模で
有名になっていたに違いないと考えられる。
帰りは‘石仏の道’を下山。
阿弥陀三尊磨崖仏 (石仏の道)