前記の化粧壺から南へ下ること約1時間15分、
距離にして約4km下ったところに初瀬のダムがある。
途中、崩落したところを恐るおそる通り抜けると、
周りの景色は一変する。
ダム中央のすべり台のようなところに水が流れている。
このダムを背にして道を下ると、
見廻(みかえり)不動尊が見えてくる。
お不動さんは、この岩肌に彫られているらしい。
どうも肉眼でも見づらく、写真でもよくわからない。
また詳しい資料もなく、
宝剣を持ったお不動さんが彫られているというが、
磨崖仏でなく、線彫りのようである。
弘法大師がこの地の霊場を浄めるよう、
ここに不動尊を彫ったと伝えられているが
実際は、室町後期の作と言われている。