野仏の美
街道沿いや分かれ道にひっそりと佇む石仏。
いつ、だれが、供養のために置かれたものか、知る余地もないが
雨の降る日も、風の強い日も、カンカン照りの日も、雪が深々と降る日でも
いつも同じこの場所に何十年も何百年もその地に留まっている。
野仏などの石造物は木彫文化よりも古く、庶民文化や信仰の対象として
広く愛され、今日まで受け継がれてきたのであろう。
ここ寝屋川市と四條畷市を流れる讃良川(さんらがわ)のほとりに
五体の野仏がある。
〈讃良川の石仏〉
風化が激しく、地蔵さんなのか阿弥陀さんなのか?
こちらは地蔵さん!?
私が若い頃、このような光景を見てもどうってことなく、
何も感じなかったが、今ではしみじみと何とも言えない気持ちとなる。
この辺りは第二京阪道路が開通し、のどかな田園風景が一変し
まったく景観が変わってしまった。
時代の流れには逆らえないが、現在どんどんと開発がなされている。
ここへ来る人はランニングか、ごく犬の散歩ぐらいしかないが
通行する人もなく、
これらの石仏も時代とともに忘れ去られる運命にあるのだろう。