$ 0 0 今のところ、三台の地車の彫物しか花岡良蔵の彫を検討できない。この龍を見ても、深野北太子田両龍の彫物の素描は似ているが、良蔵の彫とは考えにくい。だが、柄振板の龍を見れば、都呂須深野北やはり、渦巻く雲を施した龍は、同一門の下絵にあるものと考えられる。都呂須深野北都呂須深野北唐獅子の顔や麒麟の構図や雲は、間違いなく花岡良蔵のタッチに匹敵している。都呂須地車が、天保六年の作であるから、深野北(花岡部分の彫)も、その期からほぼ遠くない頃の作とみても間違いないだろう。