先日、某地車の彫物裏から‘高松彦四郎’の銘が発見された。
この唐獅子、彫又でもなく相野でもない高松の彫であった。
この墨書きは、唐獅子の裏面ではないが、
ここに『 明治十六未年九月 新調
彫物師 浪花住
高松彦四郎 作之 』 とある。
高松彦四郎の銘は、寺院彫物や太鼓台にも発見されている。
『 太鼓細工人
大坂南堀江上三
高松彦四郎 』
他に高松らしき彫を集めてみた。
微妙に獅子の顔が異なるが、尾のたなびきのイメージが一致している。
もうひとつ、こちらの獅子も高松であろう。
銘の見つかった地車に、どの彫師とも思われない武者の彫物がある。
探してみたところ、やはり高松系の地車にあった。
お馬の静止したイメージがよく似ている。
また、武者の顔向きとあぶみの方向を合わせるのが通常だが、
両彫物では、顔向きと反対方向を向いている。
これから右折しょうとしているのかはわからないが、
これも高松系彫の下絵に描かれているのではなかろうか?
さて、いづれの彫も寺院のものを除いて、明治15年前後のもの、
果たして、これらは初代によるものか、二代目によるものか
今後の発見に期待したい。