京田辺町から玉水橋を渡ると井手町に入る。
井手町は万葉の昔より数多くの和歌に詠まれてきたとこです。
ここは‘蛙塚’と云われるところ。
そもそも、‘蛙(かはづ)’が井手の枕詞に用いられるほど、
湧水が多く出て、鳴き声のいい蛙が生息していたそうである。
たぶん、カジカガエルの種と思われるが、大和路を行き交う旅の途中、
清らかな湧水でのどを潤し、カエルの声によって旅の疲れを癒されたもよう。
井手寺跡
かってこの地には、壮大な伽藍を備える井手寺(井堤寺)があって、
橘諸兄が再建した氏寺であった。
礎石の一部
橘諸兄は、聖武天皇に仕え、天平十二年(740年)に恭仁京(加茂町)に
遷都し造宮を行ったが、わずか4年たらずで、都が難波京に遷され
完成を見たないまま、幻の都となった。
小野小町の塚
小野小町の墓は各地で見られるが、晩年、井手寺の塔頭に住んでいたことにより
信憑性が濃いと思われる。
地蔵院
享保十二年(1727年)に植樹された枝垂れ桜
ここの枝垂れ桜は、京都丸山公園に株分け(初代の桜)された。
玉津岡神社
拝殿に珍しい彫物が…、
松に鶴
梅にコウモリ
笹に親子亀
木鼻
何と、杜若に蛙
左右のカエルも阿吽状!
本殿
貞享四年(1687年)建造、波にうさぎ
象鼻
拝殿前の舞台
檜皮葺きの立派なもの
手水舎
亀の鬼瓦
手水口はカエル
井手は石像仏でも知られている。
竹藪道を上がっていくと、
弥勒岩がある。
線彫りが薄く、何となく見える。
さらに、
橘諸兄の墓と伝えられている旧跡がある。
追伸
7月7日(金)午後8時 NHK総合1 放送予定
歴史秘話ヒストリアの番組内にて
後醍醐天皇の特集で、笠置寺の行場が
予告編で映っていました。