交野市神宮寺から交野山へ上がる道に‘石仏の道’がある。
石仏の道と言えども、計4ヶ所に石仏があるのみだが、
そのうちの2石仏は、磨崖仏である。
神宮寺の農園畑を抜けると竹林道となる。
この先、右手に大きな石がある。
振り向かなければ見落とすが、
表側には
弥勒菩薩が彫られている。
少々あどけない顔をしているが、二重円相光背をもつ
鎌倉期のものである。
ちょうど交野山の方に向いており、
かって交野山中腹にあった岩倉開元寺への
参道入口に祀られたものであろう。
さらに進むと、右方の分かれ道に
説明板が見える。
もし、この説明板がなかったら確実に見落とすに違いない。
この下に、
二尊の石龕仏であるが下半分が埋まっており、
どの様な形状かも把握できない。
さらに進むと、
道の両脇に見えてくる。 左方には
立像の阿弥陀如来仏、
光背の上部とお顔が掛けている。
また近くから骨壺が発見されたことにより、
このあたりに墓地があったとされている。
この石仏の向かい側、おにぎり状の石に磨崖仏が彫られている。
川面側に刻まれているので見にくい。
アーチ状に沈められた中に三尊の仏さんが、その左には、
梵字で陰刻されたキリーク(阿弥陀如来)の種字がある。
また文明十一年(1479)の年号があるというがよく見えない。
さらに奥へ進むと、
阿弥陀三尊の磨崖仏が見える。
蓮座も見え、先ほどの三尊磨崖仏と比べれば、
顔かたちがはっきりしている。
もともとこの石(岩)は、参道方向へずれ落ち傾いたと思われる。
ここからもう少し行くと、コンクリートの道が途絶え
交野山へ上がる道となる。
ここからは登りがきつくなり、必ず交野山頂からここへ降りるコースを
取った方がよい。
豊能町切畑大円 阿弥陀三尊笠塔婆