ここは京都中京区にある島津製作所創業記念資料館
島津製作所資料館がずいぶん前からあると聞いていたが、
先月、ようやく訪れることができた。
島津製作所といえば、小中高等学校などの理科教育・実験などの理化学機器に
たいへんお世話になったが、分析化学などの計測器、レントゲンなどの医用機器、
バイオ科学や航空機器など環境問題や医療、あらゆる産業の多方面にわたって
研究開発を行っている事業所です。
展示物は創業当時の理化学機器が主で、
2F展示室にはいきなり大型の機器が現われた。
wimshurst の感応起電機
これは島津梅次郎 (二代目源蔵)が、明治17年に
日本で初めてこの感応起電機を完成させた。
英国のwimshurstが発表した一年後のことである。
これは何かと簡単に説明すると、
互い方向に回転する円盤上の金属珀に摩擦電気を蓄積し、
その電荷をガラス製のライデン瓶へ充電させ、
空中に火花放電を起こさせる静電起電機である。
このくらいの大型になれば、ゆうに100kVの発生は可能である。
他にもう二台置いてあった。
中型のもの
こちらは中学校の理科室にも置いてあった小型のもの。
私も持っていますが、梅雨時の湿度の高い日などは、
ほとんど静電気が発生(溜まらない)しなく、真冬日の低い日には、
驚くべき17cmの火花が飛んだこともあった。
小型のもの
超高電圧空冷の整流管
高真空、高電圧の二極真空管で東芝製では‘ケノトロン’と呼ばれていた。
エックス線装置の整流やコッククロフトウォルトン型の静電加速器の電源に使用された。
真空放電用の各ガラス管
ガイスラ管とクーリッジ管
教育用のエックス線(レントゲン)装置
今では考えられない教育機材!
下部の黒い円筒状のものが誘導コイル、そのうえのガラス真空管がエックス線管。
高電圧部の配線は削除されている。
エックス線管の中央部の電極が斜めに向いている、つまりこれが陽極のターゲットで
陰極から発生した電子が高速でこのターゲットに衝突し、そのさい発生したセックス線が
スクリーン方向に放出される。つまりスクリーンとエックス管の間に手をかざせば、
スクリーンに手の骨格が写るわけである。
いずれの展示物についても詳しい説明はされていない。
1Fにあるこれは何だ!?と考えてみた。
高電圧トランスの上にモーターにつながった回転式の電極・・・、
もしかして、整流器に違いないと?
高電圧、大電流の整流ができなかった昔、
同期モーターで電極を回転させて接触ブラシ(整流子)により交流を半波ずつ切り替えている。
つまり機械式の整流装置である。
これをいま可動させたら、ものすごいノイズが発生する!!
館内の展示物はすべて撮影可能です。