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Channel: 彫物名鑑 小松堂
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宇治界隈 その4 萬福寺

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禅宗系のお寺さん、
臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三門や本堂の各諸堂には、
花鳥ものや霊獣などの装飾された彫刻類いっさい施されないが、
何とここに‘龍’が三匹いた!

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三門の扁額
隠元禅師墨蹟の「黄檗山」と書かれた、この廻りの彫刻。
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三匹の龍がこれを見守っているようだ。

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法堂
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禅宗様式、黄檗山では高欄も‘卍くずし’となる。
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開山堂

円窓
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禅宗寺院や茶室に用いられる窓、
私は、「円相」の意もなしていると思われる。

鳴り物
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禅宗寺院に必ずある、‘雲板’と‘魚梆’
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雲の形をした雲板、または雲版(うんぱん)という。
かぶら懸魚のような形にもみえ、洗練されたデザインである。
寛文元年(1661年)の年号があり、
叩けば、“ジャーン”と鈍い音で響くが、
馨(けい)に比べれば澄み切った音ではない。
ここの萬福寺のものは、径が二尺ぐらいあろうか非常に大きい。
食事前のチャイムなどに叩かれる。

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魚梆(ぎょほう)
萬福寺では‘開版’、‘開梆’(かいぱん)と呼ばれ、
鯉が口から煩悩の珠を吐き出している。
ちょうど木魚の原形で、下方部から内側に刳って、
内部が伽藍洞になっている。
文化二年の銘があるが、ほぼ二代目のものか?
ここのは全長約2メートルはある巨大なもの。

ぼんさんが思いっきり野球のバットのような木棒で、
叩くと非常に高い音で“カーン”と鳴る。
雲板よりも音が大きいので諸行により使い分けている。

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三門

ここで、
三門とは禅宗様式の門で、門扉が三ヶ所あり、二階建てである。
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東福寺三門
空相・無相・無作の三解脱門を象徴する。
一般のお寺にある門は、寺の号から単に‘山門’という。

また二階建ての門で、下層に屋根のないものは‘楼門’という。
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岡寺 楼門 
(仁王像を安置しているところは、仁王門ともいう)

萬福寺にいたユルキャラ?
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ジブリのものではなく
何と!インゲンマメ太郎!



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